里村欣三の真情あふれる、心に残る文章を掲載しました。
年譜(人生の軌跡)と併せてお読みいただくと、そのときの里村の気持ちが理解できるかと思います。

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哀切文集1 北満放浪雑話(一)雲 放浪への強烈なあこがれ。
満州放浪の基底を貫いたロマンチシズムと自己矜持。
『中央公論』昭和2年7月号(夏季特別号) P76-88 中央公論社 1927年7月1日刊

哀切文集2 里村欣三の葉山嘉樹宛手紙 昭和10年、徴兵忌避を自首した直後の手紙で、自首に至る
経緯と心情が、真摯に、率直に語られている。
浦西和彦著『近代文学資料6葉山嘉樹』 P181-184 桜楓社 昭和48年6月15日刊
 
哀切文集3 第二の人生(第一部) 昭和11年秋、故郷岡山に妻子を呼び寄せ背水の陣を敷いた里村。だが、
人々の里村を見る眼は厳しく冷たい。鬱屈し、内に籠もっていく妻や子。
転向を自己の内部から突き詰めていこうとする里村。
『第二の人生』(第一部) P8-13 河出書房 1927年4月16日刊

哀切文集4 自己辯解の辯 一兵卒として、意識的に部隊に同化した里村欣三の中国戦線。
昭和14年12月の帰還まで、書かず、書けなかった里村の自己弁解の弁。
読売新聞 1940(昭和15)年1月17日 朝刊 第5面